欧州の優良企業群「GRANOLAS」とは?注目の銘柄とその魅力をわかりやすく解説

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GRANOLAS(グラノーラス)とは何か?

ライちゃん
ライちゃん

グラノーラ?朝ご飯?

ライアン
ライアン

朝ご飯やないんや、株の銘柄の集まりなんや。

GRANOLAS(グラノーラス)とは、ゴールドマン・サックスが2020年に提唱した、欧州を代表する大型優良企業11社のグループを指す愛称です。

ライちゃん
ライちゃん

欧州の優良株の集まりってわけね。

ライアン
ライアン

そういう事です。

アメリカ株式市場でテック大手が「マグニフィセント・セブン(Magnificent Seven)」と呼ばれるのに対し、欧州株式市場で高い存在感を示すこれら11社をまとめてこう呼びます。GRANOLASという名前は各社名の頭文字に由来します。

  • GSK(グラクソ・スミスクライン) – 英国の製薬・バイオ企業
  • Roche(ロシュ) – スイスの製薬・診断薬大手
  • ASML – オランダの半導体製造装置メーカー(EUVリソグラフィで世界独占的地位)
  • Nestlé(ネスレ) – スイスの世界最大の食品・飲料会社
  • Novartis(ノバルティス) – スイスの製薬会社
  • Novo Nordisk(ノボノルディスク) – デンマークの製薬会社(インスリンや肥満症治療薬で世界トップ)
  • L’Oréal(ロレアル) – フランスの化粧品・日用品大手
  • LVMH – フランスの高級ブランドコングロマリット(ルイ・ヴィトン、ティファニーなど)
  • AstraZeneca(アストラゼネカ) – 英国の製薬・バイオ企業
  • SAP – ドイツの企業向けソフトウェア(ERP)最大手
  • Sanofi(サノフィ) – フランスの製薬会社

これら11銘柄はヘルスケア(製薬)を中心に、生活必需品(食品・日用品)、高級消費財、テクノロジーなど計5つのセクターにまたがっており、米国のマグニフィセント7(主にハイテク株)に比べて分散が効いている点が特徴です。

GRANOLAS各社の投資魅力

GRANOLASに含まれる企業は、いずれも欧州を代表する「スーパー優良株」と言える存在で、その投資魅力は以下のような共通点に集約されます。

  • 安定した成長性と収益力:
    いずれの企業も自国・欧州だけでなく世界市場でトップクラスのシェアを持ち、堅実な収益基盤があります。ゴールドマン・サックスはこれら企業を「構造的に強く安定したセクター(ヘルスケア、生活必需品、テクノロジー)の銘柄」と位置付け、長期的に一定の成長が見込めるとしています。実際、利益成長が堅調で利益率も高く安定しており、多少の景気変動でも業績が大崩れしにくい強みがあります。
  • 低いボラティリティ(価格変動の小ささ):
    GRANOLAS銘柄は株価変動が比較的穏やかでディフェンシブ(守りが固い)な傾向があります。米国の大型ハイテク株が景気や金利動向で乱高下しやすいのに対し、GRANOLAS企業は実現ボラティリティ(価格変動率)が米国大型株の半分程度と分析されております。
  • 強固な財務体質:
    これらの企業は総じてバランスシートが健全で、潤沢なキャッシュフローを創出しています。巨額の研究開発投資や設備投資(再投資)を続けることで持続的成長を図りつつも、財務の安定性を保っています。実際、GRANOLAS銘柄は成長投資に積極的である一方、株価評価は米国大型テックより割安とされ、ゴールドマンはその点を「相対的にバリュエーションが低いが高成長を期待できる」点として評価しています。
  • 持続的な配当(株主還元):
    欧州企業らしく多くが安定配当を提供している点も魅力です。例えばロシュは30年以上連続増配、ネスレは1959年以来減配なしといった長期実績があり、GRANOLAS全体でも平均2~2.5%程度の配当利回りを維持していると報告されています。高成長グループでありながら配当も期待できる「両取り」の魅力があるのです。
  • 各分野での世界的ブランド・独占技術:
    GRANOLAS企業はそれぞれの業界で世界トップクラスのブランド力や技術力を持ちます。食品ならネスレ、高級ブランドならLVMH、化粧品ならロレアル、半導体製造装置ならASML、糖尿病・肥満治療薬ならノボノルディスク、といった具合に各分野のグローバルリーダーが揃っています。製薬企業も多数含まれ(ロシュ、ノバルティス、サノフィ、アストラゼネカ、GSKなど)、世界最大級の製薬会社が名を連ねています。このような競争優位性の高さが、長期の安定収益と成長期待を支える源泉です。

こうした魅力により、GRANOLAS企業群は2021年以降の累積リターンがおよそ+60~72%に達し、米国のハイテク大型株グループにも匹敵するパフォーマンスを示しました。しかもその上昇はより低いリスク(低ボラティリティ)で達成されており、リスク調整後のリターンでは米国勢を上回ったとの分析もあります。

総じて、GRANOLAS銘柄は成長性と安定性を兼ね備えた“質の高い”銘柄群であり、
初心者にとっても比較的安心して長期投資を検討できる候補と言えるでしょう。

今後の展望

GRANOLAS銘柄は引き続き欧州市場の主役として注目されます。

インフレや金利上昇で景気に不透明感がある局面では、高品質でディフェンシブなこれら企業への資金流入が続く可能性があります。実際、ゴールドマン・サックスは「景気が減速する局面ではこの種の企業が相対的にアウトパフォームする傾向がある」と述べ、現在の経済サイクルでもGRANOLASのような特徴を持つ銘柄群が優位性を発揮しやすいと指摘しています。さらにGRANOLAS企業は米国の大型ハイテク株群に比べ株価の割安感があるとも言われており、今後業績が伸びれば評価見直しによる株価上昇余地も期待できます。

もっとも、GRANOLASすべての銘柄が常に好調というわけではなく、業種ごとの明暗もあります。近年では糖尿病・肥満症治療薬の成功でノボノルディスクが急成長する一方、規制や特許切れの影響で製薬大手の一部は伸び悩むケースも見られます。高級消費財も世界景気の影響を受けやすく、一時的な調整もあり得ます。

しかし11社全体としてみれば分散効果が働き、ポートフォリオのコア(中核)として安定したリターンに貢献してくれる可能性が高いと見込まれます。

総じて、GRANOLASは欧州を代表する安定成長株の集団であり、
欧州株式市場の行方を占う上で欠かせない存在です。

その堅実さとグローバルな成長力から、初心者の方が欧州株投資を考える際にも有力な選択肢となり得ます。

ライちゃん
ライちゃん

なるほどぉ。成長性もあるし、安定性もあるんだ。

ライアン
ライアン

今後も注目すべき銘柄群ですね!

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