E3の感想 ”展示会”と”ゲーム”の転換点

ライフハック

コロナ禍の中でE3が開催されました。 
皆さんはどのような気持ちで参加されましたでしょうか。
どうもライアンさんです。コンバンワ。

アメリカで開催された世界最大のゲームショー「E3」は
今年はオンライン開催されたのですが、
その開催方法は私の想像を全く超えたものでした。
ショックを大きく受けたのは私だけでしょうか?

今日はE3がどう新しく見えたのかを紹介したいと思います。

新しい展示会の形としてのE3

今回のE3は簡単に以下の様な形で展開されていました。

  • トークショー形式
    E3は展示期間中ずっとトークショーを放映しており、様々なパブリッシャーや、
    関係者を紹介する事でオンライン展示会を形成しました。
    トレイラー放映
    司会者のゲーム紹介
    関係者インタビュー
    などが順番に放映され、次々に新しい情報が放映される”24時間テレビ”を想像いただければ
    非常に近いものになります。
  • メディア特設サイト
    E3はゲームメディア(IGNなど)の扱いを非常に高い位置に設定していました。
    これはものすごく珍しい形であると思いました。

    一般的にメディアは展示会に対して取材に行く人たちなので、
    発信する側の存在ではないのですが、
    E3においてゲームメディアは事務局側の様な動きに見えました。
    提供枠などが存在するのでしょうけど、、、

    E3のトークショーと同じくして、
    ゲームメディアも常時リアルタイムコンテンツを
    Twitterなどを通じて放映していました。
    ゲーム実況などはゲームメディアの方が多かった様に思います。
  • パブリッシャー特設サイト
    ゲームパブリッシャーはBoothという位置づけで、特設サイトを運営していました。
    E3のトークショーで新作ゲームの情報が流れる前に特設サイトで情報を出していたパブリッシャーも多く
    このあたりは厳密な運営ではない事も興味深かったです。
初日のE3動画 5時間あるぜ! 4日目は9時間越えだぜ!

正直、VRとか目新しい技術を使った展示は全くされていません。
だからこそ素晴らしいと思います。コンテンツを作る事に正面からぶつかっていく姿勢は
感動的です。

リアルタイム、限定公開が必要ない時代

YoutubeにはE3で流れたトレイラー(ゲーム紹介PV)が山ほど流れています。
STEAM内も同様です。

E3の中限定で流すトレイラーに意味はありません。
広く知ってもらう必要があるからです。

2つの点で面白いと思いました。

1、リアルタイムの価値減少

届けられる情報の過多、そして
すべてのコンテンツが高品質にアーカイブされてしまうため、
”いつでも、何回でも、たくさん見られる”状況ができました。

そのため、ゲームショーにおいて、リアルタイム情報の価値が
著しく減少してしまっています。
いつでも見られる情報を今すぐ見ないといけない理由はありません。
そのせいか、知りたい人が今すぐ見たい欲求が
ものすごく減退しているように思います。

ゲームの裾野が極限まで広がった影響もあると思います。
これは良い事だけではなく、
根源的なゲームの価値、言ってしまえば、
「一つひとつのゲームを大切にする、ユーザーの気持ち」が
大きく減退しています。

手に入りやすくなった情報は
リアルタイム性を喪失し、
情報に執着しなくなった人々は
以前ほど熱中しなくなるでしょう。

2、限定公開が必要ない

どのように情報を限定しようと、SNSで瞬時に公開される時代。
クローズドのセミナーなどまったく意味を成しません。

競合排除性も、ものすごく低いゲーム業界において
限定公開情報が見当たりませんでした。

さらにゲームショーの特色であるデモ体験も
DEMOのダウンロードができるこの時代。
限定性はさらに低くなっていきます。
(アーリーアクセスなんか、
「販売前に買う」事ができちゃいますしね)

ゲームという一般消費財を扱うため、
すべからく人に公開する必要もあると理解できるのですが。

こちらもゲームの熱狂性について
少し冷めた印象を与えている一因だと思いました。

限定販売のグッズはものすごくあったので、ちょっとそれは、、
って感じでした。

まあ、なんというか。
メールアドレスを登録してE3にログインできる価値ってなんすか?
ってなりました。

”ゲーム”が完全にオンラインになった

”ゲーム実況者”の役割変化

これはすごく顕著な例だと思います。
ゲーム実況者はゲームを非常に上手にプロモートしてくれる人として
その価値を大きく高めたと思います。
とくにこのようなオンライン展示会において、有名実況者はタレントと同じで、
以後も重要な位置を占める事になると思われます。
本当の意味で”プロゲーマー”が存在する事になりました。

実販売のゲームについての情報の少なさ

完全にゲーム業界はオンライン販売にシフトしました。
ゲームハードもPC周辺機器、スマホの周辺機器の紹介が非常に多かったです。
ハードの紹介ってXBOXだけじゃなかっただろうか?(あったらすいません)

販売先もPS5やSwitch以外にSTEAMなどPC向け販売が非常に目立ちました。

これからのゲーム、これからの展示会

これからのゲーム人口はスマホを入口としてPCを
主戦場にしていくのではないでしょうか。

人々がVitaだDSだと、ゲームデバイスの優劣で言い争いする世界は
ゲーム専用デバイスとPCとの優劣で罵り合う素敵な世界に移行しそうです。

展示会業界においても素晴らしい変革であったと思います。
特にゲームの様に実態を持たないメディアにおいては、
実店舗をもつ展示会は全く必要なく、
Webを通じてグローバルに拡張するでしょう。

その際に英語という共通言語を持つUSが
非常に強いイニシアティブを持ち、
今後もゲーム業界はUSが中心になって運営していくはずです。

ゲームが、ドラクエの発売日に学校を休んで買う時代が
ついに終わってしまいました。

我々はマウンテンデューとポテトチップスを片手に気楽に
PCゲームを楽しもうじゃありませんか。
その際英語を勉強する事を忘れずにね。


※オマケ 今回のE3のサマリー動画、非常にわかりやすいです。
字幕出るので気軽にどうぞ

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